光るグリッド
歌集
こんなにも馬のからだは熱いのか 撫でようもなくはっと手をひく
伸びやかで風通しの良い歌集だと思う。素手で摑み取った言葉があり、弾むような息づかいがある。
右腕が羽二重餅のようだった 手を握り返す力もなくて
白布をしずかに顔に掛けるときいつもためらうわたしの指は
看護師の仕事の歌は、どれも現場で働く人ならではの臨場感と迫力に満ちている。
作者の生活の一番芯の部分にこうした強さがある。おそらく、それが他の様々な部分をも支えているのだ。人の生死に関する重い内容の歌もある。けれども歌は暗くない。内側に閉じこもることはない。・・・松村正直「解説」より
四六判変型上製
184ページ
2000円(税別)
ISBNコード
9784861984709