終点までを
歌集
戦の頃を知る足立さんは、そこそこいいお歳であるはずだ。
けれど一冊からはそんな雰囲気を微塵も感じさせない。
好奇心旺盛に多くの物事を見聞し、あちらこちらへ旅に出る。
話題の焼鯖を買いに走り、コンサートにも出向き、歌会を楽しむ。
季節の野菜を作り、衰えたとはいえ未だ豪快に酒を酌む。
そんな元気印いっぱいの足立さんだけれども、
つくづくと夕焼け空を眺めしこと此の頃はなしキャベツを刻む
歌集を読むと時に、こんな一首に出合って、
足立さんの心の襞にフッと触れたような気がするのだ。・・・「帯」より
四六判上製
176ページ
2000円(税別)
ISBNコード
9784861984778