二輪草
歌集
暮らしの機微を詩にすくい上げる短歌。そして人生の応援歌でもある短歌。短歌に詠むから暮らしの折々が永久保存される。『二輪草』という夫婦歌集がそうした短歌の徳をあらためて教えてくれる。・・・三枝昂之「跋文」より
お遍路の一人一人の足跡が一筆書きの四国路となる
スパーのレジに並びて垣間見る人の生活吾の生活
風やわく日射しもやわく川沿いの朝陽さす道二人で歩む・・・三首(寛)
入りゆけば紅葉きわまる雙津峡五臓六腑を染めて紅
七羽の鵜手早く籠に押しこみて鵜匠漕ぎ出す夜の錦川
病窓を茜に染めて沈む陽をながめておりぬ 明日は胃のオペ
味噌汁を「ばーちゃんスープ」と孫達は呼びて次つぎおかわりをする
糠床に「おはよう」いいてかき混ぜる私の日課三月となりぬ・・・五首(征子)
A5判上製
284ページ
2500円(税別)
ISBNコード
9784861984815