無限遠点
歌集
終着の見えだす窓に近づいて白き息もて都市を包みぬ
北辻一展の歌には、詩的な発見のある表現が多いが、単なるレトリックではなく、自分と世界との境界を開いてゆく鍵となっていることが多い。
焦点の合わぬまなこに呼びかければまなこはわれに焦点の合う
言葉の力で、自己と他者が一瞬通じ合う感触を捉えることに長(た)けている。物を的確に捉えるまなざしによって、自己と対象のあいだに、いきいきとした通路をつくりだす。・・・吉川宏志「解説」より
四六判上製
208ページ
2300円(税別)
ISBNコード
9784861985058