風を待つ日の
歌集
触れたればひんやり安心するやうなナイフになりたし春風のなか
誰しもが何かに傷つけられているこの時代。
感情をきれいに断ち切るナイフが、むしろ安らぎの象徴となるだろう。
そんな鋭利な心をかかえて、この人は風のなかに立つ。
移ろう季節に、疫禍の街に、教室の少年少女たちに、そして、
透明な苦悩を負いすぎた私たちの胸に、野田さんの歌は静かに響く。・・・黒瀬珂瀾「帯」より
四六判変型上製
136ページ
2200円(税別)
ISBNコード
9784861984976