続・西方の湖
歌集
ゆったりと曲りて汽水の湖に入るひかりは常に身にも及びて
濃霧覆う湖の町見えざればわれにはすべてが遠くあたらし
叙景歌とは何であろう。湖の町に生まれ暮らし、湖の日々の光と影、草や鳥なべて作者の気息であり、思惟のかたちである。かぎりなく擦り出される湖の表情は静謐でありながら生動して止まない。
『西方の湖』より十年、宍道湖のほとり松江に老いを深めつつ自然とともに生を深める。現代の世にこの歌集が在ることは蓋し豊かな賜物であろう。・・・花山多佳子「帯」より
A5判上製
194ページ
3000円(税別)
ISBNコード
9784861985089