風を抱く
歌集
米田憲三さんとはかつて斎藤史先生の「原型」に所属していて、ともに歌を学びつつ切磋琢磨してきた仲間である。とくに米田さんは私と同じく戦後の貧しい時代を体験された一人であり、同時代を生きてきたものとして共感できるところが多い歌人である。
『罪と罰』執筆したるアパートありと聞きて俄かに信じ難しも
『罪と罰』を執筆したアパートがまだ残っていることに驚く。だが、ロシアには抑留され強制収容所に送られた叔父の記憶がある。そうした時代を懸命に生きてきた作者の歴史がある。時代と対峙しつつその中に生まれいづる哀歓を詩情豊かにうたいあげている。・・・志垣澄幸「解説」より
四六判上製
300ページ
2800円(税別)
ISBNコード
9784861985973