カーディガン
歌集
江戸雪の歌に文語や口語、虚実といった別は意味をなさない。
歌が歌としてそこにたたずむ。
その自然体を読むこころよさが魅力なのだと思う。
辛いことも嬉しいことも、作者のことでありながら同時に読者のことでもある。
そのことに気づかせてくれる一冊。・・・「帯」より
自選5首
輪になってなんだか人は皆ひとり小さな壜に夏雲あつめ
母はもう父には逢えぬしゃらんしゃらん私があえないよりも逢えない
飛んでゆこう飛んで記憶を鮮紅の舌にあつめて噛み切るいつか
本当と嘘とどっちがさびしいか嘘の娘となって座れば
そうだろう流れたくないときもあるから白雲よ呑み込んでやる
四六判変型上製
216ページ
2800円(税別)
ISBNコード
9784861986079