さかいなき青
歌集
芝の中に枯芝のごときバッタおり冬の日ざしに薄ら目を開く
命終の近いバッタへの日ざしの暖かさは、作者の眼差しのあたたかさでもあろう。
牛尾さんの詩的感性を最も支えているのは鋭敏な視覚だろう。流れてゆく情景のなかで見過ごされてしまうようなところを、優れた歌材として確実に掬い上げる、その眼力には脱帽するしかない。・・・畑谷隆子「跋」より
四六判上製
250ページ
2500円(税別)
ISBNコード
9784861986055