餠屋句集
句集
石の臼も木の臼もけふ春の水
こねどりの手水に沈む蓬かな
夏怒濤野馬追の馬飛ぶごとく
被曝して村をさまよふ毛虫かな
死の村の畦道に立つ茅の輪かな
秋風に干菓子砕けて散らばりぬ
秋風の被曝の街へ戻りけり
鮭の母裂けば噴き出すはらこかな
長き夜の石臼の黙杵の黙
二日はや音響きけり臼と杵
鏡餠二つに割れて恐ろしき・・・自選十句
「古志」所属の著者、第一句集。
四六判上製
182ページ
2200円(税別)
ISBNコード
9784861986192