藍の紬
歌集
生き物のにおいじわりと放つなり藍染深き紬を裁てば
絹糸は縫ったあとから沈みゆき藍の紬はのっぺりと海
藍の発酵により藍甕は独特のにおいを放つ。深く染めた紬(つむぎ)を裁つとき、ふと生き物のにおいを嗅ぎとったのであろう。布地と同色の絹糸は縫ったあとから沈むように見えなくなる。和服の仕立てを通して、表現を磨いて来られた作者のみごとな第三歌集である。・・・藤川弘子「帯文」より
四六判上製
174ページ
2500円(税別)
ISBNコード
9784861984617