母の手のひら
歌集
写実的な手法や生活実感をベースにしながら、聴覚障害者がしばしば直面する現実への苛立ちや憤り、哀感の滲む作品は、いつも読みごたえがあった。
曜日わからぬ母の出したるゴミ袋提げて戻れり秋晴れの朝
話し言葉五分の一に約めゆく懸命に書く筆さきを追う
視力落ちて手話読み取れずなりおれる君を置きざりに談笑せしよ
母の声聞こえぬ吾は介護するにかえって楽だと姉は言いたり
文体はいささかクラシックであるかもしれないが、それが懐かしく、歌集一冊のたたずまいをしっかりしたものにしている。・・・真中朋久「解説」より
四六判並製
124ページ
1500円(税別)
ISBNコード
9784861986512


