父のキャンバス
歌集
嶋寺さんは子育てをしながらながく教職にあった。大津の女子高では、二週間の契約であったのに十数年になったと聞く。
リハパンと短く言へば軽くなる母を立たせてゐさらひを拭く
子育てと親の介護は同じなりいつか終らむ終らば寂し
母が亡くなって介護が終ったときその寂しさは実感された。同時に、子育てを終ったときと同じような安堵感も湧いたのではないかと思う。父母も姑も、湖国に育まれ、湖から離れることなく暮らし、看取られ、琵琶湖に抱きとられるように長寿を全うしたのだから。
家族が大きなテーマの歌集である。・・・小林幸子「跋」より
四六判上製
216ページ
2500円(税別)
ISBNコード
9784861984372