風にまぎれて
歌集
喩か、語彙か、文体か、あるいは鋭利な知性か
否
金澤照子という稀なる個性が、退潮しきったかに見える前衛的なる華麗な様式を顕在化させているのであろう。
昼ふけの男の利鎌は律をもち束ねてゆけり草の炎を
日常の身辺に取材したこういった素材すら、金澤の手にかかると高い象徴性を帯びるのである。
いっときの熱病に浮かされたというのではない、自らの血肉として潜勢した手法が、七十年の永きに亘って磨かれ続けた一つの到達点がここにある。・・・「帯」より
四六判上製
168ページ
2500円(税別)
ISBNコード
9784861984297