草色の手帳
歌集
あるときに家計簿としてえらばれき草色表紙の父の手帳は
この父の死とその体験を視線の基底に据えて、本歌集ではいわゆる社会詠と呼ばれる、多くのテーマが意識的に取り上げられ、詠われている。
原爆のこと、イラクへの自衛隊派遣のこと、原発のこと、そして何より戦争体験の過酷さなど、それら社会へ向けられる目は、単なる正義感というよりは、父の戦争体験が、視線の基軸に据えられることによって、静かな緊張感とリアリティを獲得していると言えるだろう。・・・永田和宏「解説」より
四六判上製
220ページ
2500円(税別)
ISBNコード
9784861983870