落葉松林
歌集
信州の落葉松林の中の山荘を去り、若かりし頃に建てた家を手放す。
齢を重ねるとは何かを捨てゆくことなのだろうか。おそらくそうではないだろう。一首に残すこと、歌い留めることでそういった思い出や記憶の詰まった地や家は、形を失っても言葉として生き続ける。
原さんはそのことをよく知っているからこそ、愛惜しながらも、前を向いて歌い継いでいるのだろう。
なにも家ばかりではない。小さな動植物や日々の雑感についてもまた同じことが言えるだろう。・・・「帯」より
四六判上製
194ページ
2500円(税別)
ISBNコード
9784861983658